堂ヶ島研修旅行(1) らんの里 堂ヶ島


一泊研修旅行で伊豆半島堂ヶ島へ。
写真は超南国ですが静岡県伊豆半島です。

一日目は、東京をバスで出発→海老名でメロンパンを食べ、恋人岬で鐘を鳴らす、というナゾの観光メニューをこなし、
第一の見学ポイント「らんの里 堂ヶ島」へ。


まずは、通常一般客は入ることのできないラン栽培施設を見学させていただきました。

ちょっと廃墟・・?
恐らく昔は観光施設だった建物が残っているようです。。


ランの温室が沢山!


実際に温室の中を見せてもらい、研究員の方に説明をしていただきました。

ランの概要

  • 単子葉植物。世界各地の熱帯〜亜寒帯が原産。
  • ラン科植物は、世界中で25,000種〜30,000種の原種があり、植物界ではユリ科に並もっとも種類が多い
  • 品種間交雑が比較的容易なため、観賞用に人工的に作られた種が多くある

 (品種については全て英国にて登録・管理がされている)

  • 鑑賞価値の高いものが多く、栽培や品種改良が進められている
  • 樹木に根を這わせて着生しいる「着生ラン」と、地面に根を下ろす「地生ラン」に大別される。

 カトレヤやバンダ、ファレノプシスコチョウラン)、デンドロビュームなどは「着生ラン」。
 アジア自生のエビネやシンビジュウムは「地生ラン」

  • 着生植物は樹木に根を絡ませて着生し、養分を吸ったり、根から大気中の水分を吸収する。


見えているのは根の部分


 →ランの鉢には土は入っていない。ミズゴケや木のチップなど。
 →このためか成長が遅い→育成・栽培に時間がかかる→値段が高くなる。

  • ランは根でも光合成をすることができる!

ランの栽培方法

  • 実生では花の形状が一定にならないため、一般に流通しているランの殆どは組織培養によって増やされたクローン
  • また、以下のように栽培にとても時間がかかる為、途中行程を人件費の安い海外で行なっている。

開発交配・育種(日本)【1年】→幼苗栽培(タイや台湾など)【1.5〜3年】→開花(日本)【3〜6ヶ月】


−開花調整が比較的安易にでき、単価も高いため関連農家は多い



幼苗




育成中の苗



出荷月ごとに準備されている苗

らんの里


ランで作った孔雀(ミラバケッソ?)がお出迎え。
温室や室外展示植物もたくさんあるかなり大規模な施設で、展示方法も、原産地の環境を意識して作られています。
また、駿河湾を一望できる展望デッキやつり橋などもあって、たっぷりたのしめるようになっています。




展示は熱帯の環境に近い形で見せられていたので、個人的には鉢に植わって針金で花首を支えられているようなものより、このような活用の仕方が好きです。
特にバンダの仲間は水辺で木にぶら下がって根の先をちょこっと水につけている感じがかわいらしいなと。



バンダ
語源はサンスクリット語のvandaka(樹木に着生するの意味)から。和名は「ヒスイラン」


■所感
ランというと、年配の法人の贈答品・・・のイメージが強く、見た目もグロテスクでなぜか不自然な雰囲気があまり好きではなかったのですが、
着生植物で本来は熱帯の樹木に着生している、というのもイメージ通りで、その栽培方法がわかって、とても納得。
不自然に作られているのだから不自然な雰囲気なわけです。
とはいえ、今もなお品種を増やし続けているというマンモス植物であることも、絶大な需要があり花卉業界で大きな流通を作っているということも確か。ではなぜ他の植物ではなくランなのか・・?というのはちょっと気になるところではあります。。


■Data
らんの里堂ヶ島
http://www.dogashima.com/
静岡県賀茂郡西伊豆町仁科2848番地の1
電話:0558-52-2345