ちょうど一年くらい前に

読んだ本について、日記をしたためていたものをたまたま発見しまして、
恥ずかしいけど自己引用。


最近すこし、「あれ?なんでここにいるんだっけ?」などとボンヤリしてしまうことがあるので、確認の意味も込めて。


元がmixi日記なので、文章・表現などがかなりひどいですが・・


池澤夏樹「光の指で触れよ」
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うちの会社のひとたちはビジネス書が大好き。
副社長が社内に小さい本棚を設置して、最初は役員がオススメの本とか「課題図書」(笑)
を並べていて、ほとんどが経済とかビジネス、自己啓発コーチングとかなんだけど、
そのうちみんなが要らない本を置いていったりしていて、たまにビジネス書じゃない本もあったりする。

これもその本棚にあって、なんでこんな本があるのか思わず気になって、借りてきた。


科学技術と農業、家族と「恋愛」とコミュニティ。

グローバルじゃなくてローカル。「消費」や「お金」から離れていくこと。


スピリチュアル系に偏っていっちゃう部分はちょっと受け入れられなかったけど、
最近みたびくらいに読み返した本↓とシンクロするところがあって、なんだか随分引き込まれた。


経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか (平凡社ライブラリー) [ チャールズ・ダグラス・ラミス ]
C.ダグラス・ラミス「経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか」


(タイトルのごとく経済市場主義に疑問を投げる本で、今の会社の方向性なんかとはまさに「真逆」w)


後者は政治学の人が書いた本なんだけど、どっちかというと前者のほうがカゲキ。
ラミスさんの言う事のほうが、わかりやすいし、やさしくて親しめると思った。


でもまあ、池澤作品は好きなので、
読み終わって一層、「この本がここにあるのが面白いな」と思いながら本棚に返した。


実家で録画しておいてもらったNHK星野道夫の番組(「知るを楽しむ」)
をみてたら、池澤夏樹が語り手として出てきた。


また、シンクロかとおもったけど、そもそも池澤作品を読むようになったきっかけが
星野道夫だったし、そうやって「好きなものバイアス」がかかっているから当然か。

本とか映画を好きなひとがよく、そうやって繋がっていくのが楽しいと言う。
自分はすぐにそれが途切れ途切れになってしまって、全然続かないのだけれども、
星野道夫についてだけはずっと途切れない。


その番組で紹介されていた星野道夫のメッセージ

短い一生で
心魅かれることに多くは出会わない
もし見つけたら
大切に、大切に・・・


「あれ?なんでここにいるんだっけ?」の理由は、

「お金」から距離をおきたいと思って、自分の「くらし」を変えてみようか、と動き出したのに、今更ながら、経済的にとても「弱い」立場である自分に、情けないくらいに不安を感じているということ。


素敵な住まいと、しあわせな家族と、楽しい行事や趣味があって、それらをアシストしてくれるちょっと便利な道具があって。
決して「贅沢」という意味ではなくて、つまり、一般的な「ゆたかなくらし」のイメージ。


その要素のどれもこれもが今の自分には殆ど無くて、この先充実できる見込みもあまりない。
ということを実感させられることに最近いくつか遭遇。


そもそもそれをめざす路線に乗っていないのだから当たり前なのだけれど。


勝ち負けなんて子供っぽいへ理屈をだだこねるつもりはないものの、まざまざと感じてしまって、ちょこっとだけダメージを受けてグラグラと。


一年前あんなこと書いていながら、じゃあどうするのか?とか、「心魅かれること」が何か?なんてはっきりはしていなくて、
今もまだ、見つかっていない。
そのまま、確信犯の見切り発車で、虚勢を張り続けている。
まさか飢え死にをすることはないし、いざとなったら何とでもなるだろう、という甘えがあるのも事実。

多少痛い目に遭って、キビシサを知った方がいいのかもしれないし、そんな経験をするなら若いうち・・・?


・・・と、ここまで徒然なるままにきて、なんとなく「なんでここに?」が、取り戻せてきたかもしれません。


ここでもう一度、星野さんの言葉を借用。

きっと、人はいつも、それぞれの光を捜し求める長い旅の途上なのだ。