花の文化_ハーブの利用


今回の特別講座は埼玉県川越の川越ふれあいセンターで、NHK学園講師 村越雅代先生から、二日間にわたって様々な実習も交えて講義をしていただきました。

本当に沢山の種類のハーブとその利用方法を紹介していただき、資料もいただいたのですが、なんといっても先生の知識がすごい、という率直な感想です。
次から次へとハーブの名前、効能、育て方や利用方法などがスラスラと・・・メモを取ろうにも追いつかないほどでした。

ハーブに関しては、今後ちゃんと勉強していきたいというのもあり、詳しい事は追々記事をついかしていくとして、取り急ぎ今回は授業で自分が気になった点だけメモしていきます。先生にいただいた資料の内容も引用させていただいております。
(まとまりがなく、ちょっと長くなってしまいますが・・)

ハーブの歴史、特徴

  • ハーブの定義は「薬効、薬味、香り、染色、クラフトなど、暮らしに役立ち、彩を添え、心を豊かにしてくれる植物」
  • 語源はラテン語の「herba(ヘルバ:草の意味)」→フランス語圏で「herbe(エルブ)」→英語圏で「herb(ハーブ)」と発音されるようになった。アメリカでは「アーブ」、イギリスではHをつけて発音する
  • 歴史としてはB.C.3300頃のメソポタミア文明のクレイタブレットの中にセサミ、ケシ、ヒヨスなどが見られる

ハーブの育て方、植え方

  • 育て方は産地の気候によって異なる。

<実習例>
【シュウビ】(秀美)和種ハッカの一種

実際に植え付けてきた株です。
学名:Mentha arvensis L Var piperascens Malinv
ふやしかた:株分け、挿し木、挿し芽
日あたり:半日陰〜
水やり:多湿〜普通。乾燥が苦手なので水をきらさないように。
土壌:水はけよく、保水力のある肥沃な場所を好む
耐寒性:寒さには強い。

■苗の植え付け
用土(例)
赤玉土6:腐葉土ピートモス)4+有機肥料

■用途
食品、ハーブティー、嗜好品・化粧品などの原料、その他塗り薬、虫除け、薬用品など

とにかく水は切らさないように、あげるときは底からみずがでるくらいたっぷりと。
日あたりはあるほうがいいが、直射日光はさける、もしくは午前中だけに。
これからの季節はぐんぐん育つので、育ってきたら上1/3くらいを切り取って挿し芽をすれば、どんどんふやせるとのこと。

ハーブティーについて

【道具】
ポット(色が見えたほうがいいのでガラスがいい)、茶漉し、砂時計(3分・5分)、軽量スプーン(小さじ・おおさじ)

◎新鮮な水道水を熱湯に沸かしてつかう(種類によっては少し待ってから使う)
◎やわらかい花、葉の場合は3分、シード(根)・ルート(茎)の場合は5分待つ

【一人分の量】
フレッシュ:大さじ1杯
ドライ:小さじ1杯
※一回に二杯分出せる(色素のでるものは一回目しか出ない場合もあるが)のでその計算で分量を決める


ハーブティーについても、沢山の種類とその効能をおしえていただいて、、一つ一つ上げるはきりがないので、実際にお茶にしていただいたカモマイルについて

  • カモマイル(ジャーマン)


和名:カミツレ
キク科 一年草
学名:Matricaria recutita M chamomilr
Matricaria:子宮の←mather(母)から派生
chamomi:地面の低いところで
milon:匂うりんご

水溶成分:フラボノイド、タンニン
効能:鎮痛、解熱、発汗、利尿、抗炎作用、消化促進


実際にガーデンから花をつんできて、それをお茶にしていただきました。


タッジーマッジー(tussie-mussie)

バラのつぼみなどを中心にハーブやほかの草花で作った花束。
イギリス、エリザベス朝では殺菌効果のあるハーブを取り合わせ、疫病、悪臭を防ぐために持ち歩いた。
後のビクトリア朝では花ことばが流行し、思いを込めたロマンチックなtussie-mussieが取り交わされた。


実際にガーデンに出て、自由にハーブをとってきてブーケを作りました。

これがもう、なんというか、たまらなく楽しかったです!

いつもの授業では決まった花材、手順、形状で仕上げなければいけないのに対して、まったく自由という楽しさもさることながら、ガーデンを歩き回ってこれはどうかな、あれはどうかな、と探し回って、実際に自分の手でつんで(生えているハーブを手にかけるwので、自然と慎重というか、計画的になります)、というプロセスと、ハーブの花だけでなく、いろいろな形状、香り、質感の葉をまとめてブーケを作るというのが自分にとっては、もう楽しくてしょうがなかったです。
「クラスメイトや先生にもなんかイキイキしてるねえw」といわれるくらいでした。


ハーブのブーケってなんだか、とても素敵だなあと。
たしかに色とりどりの鮮やかなお花のブーケ・花束も素敵なんですが、こんな風に、グリーンが沢山で、素朴な感じのブーケもなんとなくほんわか落ち着くんじゃないかしらと。

ひらひらカラフルなお花束に抵抗ある男性なんかも、こういうシンプル、ナチュラルな色合いのものなら手に取りやすいんじゃないかな。
とか、
見た目だけじゃなく、香りや効能もあるブーケなら、プレゼントでも一層喜ばれるんじゃないかな。とか。
ちょっと商売のことなんかも考えたりしてしまいました。

今回ブーケに使ったハーブのなかでも、私がぞっこんほれ込んでしまったのは、先生が間引きをするからということで沢山いただいた「ラムズイヤー」。
その名の通り、羊の耳、のようにふわふわのうぶげに覆われ、やわらかくてそれでいて多肉みたいな質感もあり、もうたまらない感触。


料理用ハーブについて

料理への利用効果としては、保存、香りつけ、臭み消し、辛味、色づけ、など。

先生の用意していただいたものやガーデンから採ってきたハーブでこんなに豪華なお料理ができました

とくに私が好きだったのはこの二つ

  • チャイブをつかったアンチョビムース


 →見た目もかわいいねぎの仲間のハーブをつかってクリームチーズと合えてクラッカーにのせて・・・ワインがほしくなるかんじです。


チャイブの花。うすい紫のポンポンがかわいいです。
たしかに見た目はネギのようですが、味はネギにちょっとスパイスが加わったようなかんじでしょうか。


もともと漬物は好物なのですが、ハープを使うことで、普通のピクルスのように、単なるしょっぱい・すっぱい漬物ではなく、すっきりさわやかで、でもちょっと深みある感じになっています。これならピクルスが苦手なひとでも食べれるのでは?


どちらも詳しいレシピもいただいたので、また別な機会にご紹介します!

→4、5種のドライハーブを細かく刻んで塩の中に混ぜたもの。塩に混ぜることで香りつけとともに、香りが長続きする効果も。

香りの歴史、「ポプリ」 アロマ「精油

  • 香りの歴史

香料、香油:白檀(サンダルウッド)、龍涎香(鯨からとる香料)、乳香、沈香、没薬(もつやく、ミルラ→「ミイラ」の語源。ミイラをつくるときに使われた)、ムスク

クレオパトラ(B.C.69~30)はダマスクローズの香油やシベットを使っていた
室内香、香水を使っていた→マリーアントワネットやツタンカーメンなど。


蘭奢待(らんじゃたい)、黄熟香
:焼香供養品。沈香木。東大寺正倉院宝物にある長さ156cm、最大径43cm、重さ11.6kgの巨大な香木。鎌倉以前に日本に入ったものと考えられている。
足利義政織田信長明治天皇の3人が切り取ったとされる跡が記録されている。「蘭奢待」の各文字には「東」「大」「寺」を隠した雅名。その香りは「古めきしずか」と呼ばれる。
正倉院の資料によれば精神安定、健胃、強壮、利尿、解毒の作用があるとされる。また、沈香の香りは古くなっても変質しないことが実証された。

  • ポプリ

もともとの語源ははフランス語で「Pot Pourri」
Pot=入れ物、Pourri=混ぜる、発酵させる
「ポプリ」という単語は日本でつくられたもの。

日本では似たようなものとして、寺院などで、回廊の隅々につるされた「掛け香」(空香)という白檀、沈香、甘松香などが入ったものがある。
「(かりろく)」とよばれ、八世紀に鑑真和上によって日本に伝わった。邪気払いのかざり。


○ポプリの種類
ドライポプリ:ハーブの葉、花、果皮、根茎、種子、実、苔などを混ぜ合わせて乾燥させ、製油を加えて香りをつくるもの
もいすとポプリ:メインの花・葉を生乾きの状態でたっぷりのあら塩のなかに埋め込んで塩に香りを移し、その後に乾燥したハーブやスパイス、製油などで新たな香りを作るもの
→塩に香りが移るので長続きする。


○ポプリを構成する3つの材料

  1. 主材料
  2. 副材料
  3. 保留剤

フランスの科学者ルネ・モーリス・ガットフォセによって1937年「アロマセラピー(芳香療法)」が出版され、近代のアロマテラピーはこの本から始まる。

【定義】
芳香のある植物から抽出したエッセンシャルオイルをいろいろな方法で身体に取り込み、病気や不快な症状を癒し、肉体と精神の調和をとる療法。


精油
(天然植物精油):空気中に放置すると揮発する。水蒸気蒸留や圧搾、溶剤での抽出などによって製造される。
精油の伝達経路:嗅覚、皮膚→呼吸器、消化器


◆練り香をつくる
材料と比率
ホハバオイル(ツゲ科の果実)15ml、蜜蝋7g、21滴(6%←香水などの場合はもっと比率が高い)
※オイルの一滴の量は約0.05ml

ブレンド
ベルガモット:12滴
スイートマジョラム;5滴
フランキンセス(乳香):4滴

<作り方>
蜜蝋とホハバオイルを湯煎で溶かし、完全にとけたら容器に移し、固まりかけたところで精油を加えて良く混ぜる。


***

ハーブ。
いままでなんとなく良いものだと分かっていながら、実際自分で覚えたりするのは大変だしなあ・・とあまり積極的に向き合ったことはなかったのですが、ブーケのくだりでも書いたように、ちょっといろいろ可能性があるんじゃないかっていうところと、自分の考えていたぼんやりとしたことを具体化していくことにつながるのではないかと。。
単純かもしれませんが、ちょっと何か感じるところがありました。
今回は本当にさわりのサワリで、まだまだまだまだ勉強不足ではありますが、今後もうちょっといろいろ調べたり勉強したりしていきたいと思います。


とりあえずは今回もらった「しゅうび」を挿し芽でふやしてみようかと、それと「ラムズイヤー」の株も挑戦してみたいです。