植物の基礎知識_004_栄養繁殖

1.接木

植物体の一部をほかの植物に接いで組織融合をはかり、独立した植物体にする繁殖法。

Why接木?
<長所>

  • バラは実生(種から育てる)をしても品質が変化してしまい、同じ種が増やせない!
  • 種子ができない、繁殖が難しいものをふやすため
  • より早く実をならせる(カキが3-4年でできる)
  • 病害を避けるため(土壌伝染性病害に耐性のある台木に接木

<短所>

  • 台木の養成に時間がかかる
  • 技術が必要
  • 寿命が短くなる場合がある
  • 接木部分が肥大する(見た目


【接木親和性】
接ぎ穂と台木の活着難易度だけでなく、植物として永続的に正常な育成、開花、結実するものを接木親和性があるという。
分類学上近縁なものが高いとされている。

※台木の条件、接木の外的要件がある

2.株分け

ひとつの植物体を人為的に分割して、一芽あるいは2芽以上に独立させる

<時期と方法>

  • 夏〜秋に開花する植物→早春か、開花後(花芽分化が春以降なので)

ナツギク:11月ごろ、わき芽、冬至芽を分ける

  • 春~初夏に開花する→春の開花終了直後か、花芽分化後の秋(花芽分化が盛夏〜秋なので)

シバザクラ(モスフロックス):開花直後6月上旬
ハナショウブ:開花直後6月中旬〜7月上旬
シャクヤク:9月下旬〜10月上旬

  • 耐寒性が弱い種は霜の恐れのなくなった春。暖地は秋

ガーベラ:4月、暖地では9~10月
アルテナンセラ(アキランサス):開花が秋。5~7月に株を分ける

  • 花木類は移植適期が株分け時期

3月:ユキヤナギコデマリ

3.取り木

母木から枝を切り離すことなく、土中または空中で不定根を発生させ、発根後、枝条を切り離して独立した固体を養生する
 例:茎の一部分の5?くらいの樹皮をはがして、ぬらしたミズゴケをビニルやフィルムで覆おう→根が生えてくる

<長所>

  • 簡単
  • 姿を整えやすい
  • 挿し木がしにくい種でもできる

<短所>

  • 増殖効率は悪い

◆方法

  • 先取り法
  • 傘取り法
  • 波状とり法
  • 盛り土法
  • 高取り法
                • -

※頂芽優勢(ちょうがゆうせい)
頂の部分のものがよく生長する性質

例)ツルバラ:まっすぐ上に伸ばすのではなく、枝を横に傾かせる(45℃くらい)ことで、生育させる。