シャガール ロシア・アヴァンギャルドとの出会い(東京藝術大学大学美術館)
上野の美術館はいつでも、平日の昼間でも結構な数のお客さんがいる。
この日も、作品を見るのに気になるほどではないものの、かなりの人。
(この裕福そうなひとたちは、何をして生活している人なんだろう・・。)
休日だったらさぞかし大変なことでしょう。
美術については恥ずかしいくらい疎いのですが、シャガール、好きです。
抱き合う恋人たち・・パリ・・というイメージがあって「エコール・ド・パリ」の代表的なひとでもある彼は、ロシア生まれのユダヤ人。
この企画展ではそのあたりが主題にもされていた。
20世紀初頭のロシア前衛の作家達の作品。
シャガール本人や家族が持っていたものが多いというパリのポンピドー・センターが所蔵する作品。
ロシア・アヴァンギャルドからの影響や、モチーフに故郷のロシアや出生を連想させるものが多く隠されているというのは今回初めて知った。
そして、個人的にとても面白く好きだったのは、歌劇「魔笛」の舞台美術関連作品シリーズ。
ニューヨークのメトロポリタン劇場オープン記念公演のモーツアルト「魔笛」舞台美術のための、衣装、舞台装飾などのデザイン素案やスケッチが50点ほど。
デザイン画とはいえ、鮮やかな彩色とコラージュなどがされていて、なおかつ、寸法や台本の進行に合わせた綿密な計画の後も垣間見えて、絵画作品とは違った魅力。
展示空間づくりもポンピドー・センターの監修とのことで、海外の美術館のような、開放感とメリハリがあったように感じた。
シャガールの絵は、何時見ても、さいごに展示室を出るのが名残惜しくなる。
■シャガール ロシア・アヴァンギャルドとの出会い
東京藝術大学大学美術館
http://marc-chagall.jp/