IFEX・GARDEXの見学に行ってきました[特別講座][見る・聴く・読む]

IFEX(国際フラワーEXPO)GARDEX(国際ガーデンEXPO)の見学に行ってきました。


セミナーと見てきたブースの中から気になったものをいくつか。

特別講演 (株)パーク・コーポレーション 代表取締役 井上 英明 氏「花屋の売上げは工夫次第!〜なぜ青山フラワーマーケットでは「買いたくなる」のか?〜」

優れた収益性と、独自性をもつ事業に贈られるポーター賞を、花業界で初めて受賞した青山フラワーマーケット。青フラが売れる最大の秘訣は「お客目線」を徹底していることだ。井上氏が当たり前と語る細かな工夫は、普通の店と何が違うのか?お客が花を買いたくなるためにできることを、「花が売れない」と嘆く生花店や業界関係者に伝授する。
(プログラム詳細より)


公演の内容は基本的にpark corporation のフレームワーク「5つの資産」に沿った内容でした。

→井上 英明 氏「花屋の社長の熱い思い」
http://www.park-corp.jp/company/inoue_page/before_index.html

以下自分が特に気になった点を箇条書きにします。

  • 頭打ちを打開する方法は、新しいことをはじめるということだけではなく、基本的な足元(原点)をしっかり見つめること
  • プロセスをかみしめることも必要(結果ばかりを気にする endgainner になってはいけない)
  • 同じ値段で、お客様を最大限満足させるにはどうすればいいかを考える

 →設定価格の内訳(仕入れ、家賃、人件費、利益・・)の比率と組み合わせをどうすれば満足度を最大化できるか

  • 花が他の商品(飲食やアパレル、サービスなど)と決定的に違うのは「見る」ことしかできないということ。

 →見た目、ディスプレイについては徹底的にこだわる必要がある。(現状では必ずしも他業界より秀でているとはいえない)

  • 時代が変わればニーズ→商品が変わるのは当たり前。何故花卉業界だけはいまだに「最近は年末に松が売れない」とぼやいているのか。
  • いかにピュアにお客様の立場になることができるかが大切。業界関係者は実際に花屋で花を買ってみるべき

 →店のレイアウト、導線、プライスカード、ギフト商品の梱包の開き方・・など
 →「自分がその金額を出して買いたいと思うか?」という目で見る。


さすが青フラの社長、まるほど。と感じたのが、説明や実践が難しい「雰囲気」という付加価値について、以下の表現。

「それを買っている自分を自分で好ましく思える」という付加価値。


冒頭で本人も仰っていましたが、このセミナーが「業界関係者」というあまりにもざっくりとした対象の区切り方なので、お話の内容もそれほど突っ込んだものではなく、井上さんの経営やマーケティングについての基本的な思想をサラッとやさしく説明・・といった内容でした。
もちろん貴重なお話を色々と聞けたので有意義な時間ではありましたが、果たして会場の中でどのくらいの人が当事者意識を持って聞いていたのかも気になるところです。
そして何よりこういった思想をいかに「やり抜くか」が分かれ目になるのだろうなと。


パーク・コーポレーション
http://www.park-corp.jp/



伊吹物産 FOLIAGE(ガーデニング用品)

気になった商品:パッカブルファーマーブーツ(Packable Farmer's Boots)

一気に単なる一消費者になっての感想になります。。
まず目を魅かれたのが、ビビッドなカラーラインナップ。(ピンク、ラベンダー、マスタード
とかく業務用の無粋なデザインかブリブリのお花柄の二択になりがちなガーデン用品が多い中、この商品は素直に「ほしい!」と思えるデザイン。これなら街で使ってもいいのでは?
機能面でも、やわらかいゴムのつくりになっているので、動きやすく、痛くならない!(実際、普通のゴム長靴でしゃがんだりする作業をしているとすねの部分が折れて足に当って痛い・・)
そして一番のポイントはくるくると折りたたんで持ち運べるということ。持ち運びや置き場所に困る物なので、これは嬉しい。
口がゴムになっていてぴったり閉められるようになっていて、ソールの滑り止めもしっかりしている。
(ちなみにこのブーツは個人的にかなりヒットだったので、購入予定です・・)

展示会らしからぬ、雑貨屋さんかカフェのような雰囲気のキッチン風内装と、スタッフの方が実際に他のウエアをコーディネートして着用していたのも、わかりやすく商品の魅力を上手く演出していました。

今年は「山ガール」の流行で、右肩下がりのアウトドア業界でウェア関連だけが異例の伸びをみせたらしいので、こういった商品が増え、「庭ガール」ブームがきたら面白いな、などと考えました。

FOLIAGE フォリッジ
http://www.foliage-i.com/home.html

伊吹物産株式会社
http://www.ibuki-craft.com/


石井育種場 (ハボタン)

気になった商品:HABOTAN

海外の巨大ブースがひしめく生花のエリアで、小さいながらも面白いなと思ったのがこのブース。
葉牡丹をメインに使った大型アレンジという商品の提案が面白いと感じました。

淡い色のグラデーションはバラやトルコキキョウも思わせるし、これが飾ってあっても「昔ながらの花壇にある冬の地味な花」というイメージは全くなく、華やかな仕上がり。
出展社はキャベツ、はくさい、はぼたんの種苗会社とのことですが、カタログにはウエディングブーケやアレンジ、リースの事例もあり、切花用葉牡丹は他社でも取り扱いがあるようですが、生花に比べれば日持ちは良いだろうし、もっと一般的になってもいいのになあと思いました。


石井育種場
http://www.ishii-seed.co.jp/


日本デルモンテ

気になった商品:家庭菜園用苗

いわずと知れたトマトケチャップのデルモンテ
家庭菜園苗の取り扱いの歴史は17年と長く、ラインナップも「家庭菜園」のための、おいしい(家族が喜ぶ)、家庭での料理に使いやすい、限られたスペースで簡単に育てることができる、といった点を重視して開発・商品化されているのがわかりやすくて好印象。
もちろんトマトだけではなく、ゴーヤ、茄子、オクラなども含め様々な品種がありました。

ただ、いちユーザとしての経験だと、実際の一般の店頭ではケチャップほどのシェアを占めてはいないようなので、園芸業界での販路、戦略はやはり一筋縄ではいかないということでしょうか。そのあたりも含め気になる商品でした。
(HPでは販売店情報が準備中のまま・・)


日本デルモンテ
http://www.delmonte.co.jp/


モススタイル

気になった商品:「モススタイル」

屋上緑化の関連商品は複数社の出展があったが、「苔のみ」というのはこの商品だけでした。
東京都では自治体の補助金なども始まり注目の分野ではあるものの、導入に踏み切るには色々ハードルがあると思われ、この商品の「メンテナンスフリー」という点はそのハードルを少し下げることが出来るのではないかと感じました。


株式会社 モススタイル
http://mossstyle.com/


まとめ(のような・・

見本市というものは、出展する側も観にいく側も、明確な目的がないと多大な時間とコストを無駄にする危険性を秘めているので、(学校の必修授業だったこともあり)あまり素直に見学できず、散漫なレポートになってしまい反省。。
もちろん業界全体の空気や情報を手に入れたり、実際に商品に触れたり、メーカーさんと直接話ができるという点では有意義とは思うのですが。。

今回は業界の雰囲気と傾向のようなものをボンヤリとながらとらえられたかなと。

「学生」という身分だと入場手続きがかなり大変というのは初めてだったのでなかなか面白い経験でした。